【日経平均株価は2月中に31000円以上まで上げる公算か】
〇 日経平均株価は、年の前半か後半のどちらかで年間の上げ分を取りに行く
バブル崩壊後、1990年以降の日経平均株価は、年足が陽線引けする場合、年の前半か後半のどちらかで年間の上げ幅の大部分を取りに行く展開となっています。
1990年~2020年までの期間で、年足陽線だった年は、1993年~1995年、1999年、2003年~2006年、2009年、2012年~2017年、2019年、2020年の17回あります。
それぞれ、年間の変動幅の大部分を取りに行っている動きとなった期間は、以下の通りです。
「93年、1月~5月」「94年、1月~6月」「95年、7月~12月」
「99年、1月~7月」「03年、4月~10月」「04年、2月~4月」
「05年、5月~12月」「06年、6月~12月」「09年、3月~8月」
「12年、1月~3月」「13年、1月~5月」「14年、5月~12月」
「15年、1月~6月」「16年、6月~12月」「17年、9月~12月」
「19年、8月~12月」「20年、3月~12月」
年初から上昇して6月頃に戻り高値をつける動きになるか、6月、8月、9月頃から年末まで上昇の流れを作る展開のどちらかになっています。
本年は、大規模な金融緩和を継続して、積極財政政策を実行している状況です。ウィルスに対する過剰反応により、実体経済でのお金の循環が滞っていますが、その分、行き場のないお金が投資へ向かっています。
政府は、3月7日までの緊急事態宣言の延長を発表したばかりで、お金の流れが変わる状況ではありません。
緊急事態宣言を延長したことによる一層の景気悪化を避けるため、2021年度予算審議の後、第四次補正予算を組む可能性も出てきました。
以前より何度も書いていることですが、現状での上げ余地があるなら、今年は、5月、6月までの動きとしてあらわれると考えられます。
〇 本年の日経平均株価の年間の変動幅の目安は5000円幅

図表01は、日経平均株価の年間の変動幅(年の最安値から最高値までの値幅)です。
これを見ると、変動幅が3000円幅以下になっている年は、価格が12000円以下になっていることがわかります。
12000円以上の場合、だいたい3000円幅以上の値動きがあらわれていて、値位置が高ければ、それだけ変動幅が大きくなりやすいことがわかります。
2013年以降は、だいたい5000円幅以上の変動幅となっています。
過去の値動きと似た展開になるなら、2021年は、あまり動かなくても、5000円幅程度の変動幅が現れる可能性があります。
1月6日の安値27002円が年間の最安値になって、年の前半に年間の上げ分のほとんどを取りに行く展開になるなら、今後は、5月頃までの期間で、32000円程度まで上昇すると推測できます。
チャートでは、2008年10月から長期の上昇局面へ入っていると見ることができます。
長期の上昇局面の上値目標値は、32538円を大きく上回る地点になります。
年間の変動幅と合わせて考えると、日経平均株価は、5月頃までの期間で、33000円前後か、それ以上の水準を目指すと考えられます。
日経平均株価は、1月29日の安値27629円が押し目底になって、その後、勢いの強い上昇の流れへ入っています。
前週、1月14日につけた戻り高値を突破する場面でも、戻り高値付近でうろうろする動きを経過することなく、一気に上げ幅を拡大しています。
上げやすい時期に上昇が勢いづいているため、目先は、中途半端な地点で上値を抑えられる動きにならないと考えられます。
現在は、2月中、または3月上旬頃までの期間で、一気に現時点で上げられる限界付近を目指す動きに入っている公算です。
強気の見方が正しければ、週明け後も上昇を継続すると考えられます。
図表02は、日経平均株価日足に、5月頃までの期間の想定できるシナリオを引いています。
3月上旬頃までに32000円程度まで上昇して、3月から4月にかけて、1月14日~29日までの下げ幅と同程度の値幅(1350円幅)の調整を経過した後、再上昇を開始し、今年前半の上値目標値を目指すというものです。
週明け後に上昇を継続するなら、2月中に31000円以上へ上げる可能性を考えておきます。
