【日経平均は12月中に32000円を目指す可能性が大きくなった】
〇 日経平均株価の本年11月は陽線引けする展開になる公算
10月24日の記事では、日経平均株価の年間の変動幅から「本年の日経平均株価は、年末までの期間で、8月20日の安値26954円、または9月14日の高値30795円のどちらかを1000円幅以上の値幅で抜けてゆく展開になる可能性がある」と書きました。
また、10月31日の記事では、「日経平均株価の11月の月足が陰線引けする場合、ほとんどの年で、月初から月末まで下げの流れを作る」、「11月の月足が陽線引けする場合、月初から上昇するパターンと、ジグザグに横ばいに推移するパターンの2通りがある」と紹介しました。
11月の季節性を考慮すると、日経平均株価が8月20日の安値26954円を割れる場合、10月中の高値が戻り高値となるか、11月の始めに戻り高値をつけて、下降を開始して、11月中に26954円を割れる展開になると考えられます。
そのように見るなら、11月2日に価格が反落した時点で、11月の月足が陰線引けするなら、11月1日の高値が11月の最高値になると推測できます。
それにもかかわらず、4日に上昇して、1日の高値29666円を超えた動きは、11月が下値堅く推移する可能性を示しています。
11月4日の時点で、本年は、年末へ向けて、30795円を1000円幅以上超えて、32000円を目指す動きになる展開が有力になったと言えます。
今後は、11月がジグザグに推移した後、上昇を開始するか、11月11日の安値29040円を起点として、すでに上昇の流れへ入っているかのどちらかが考えられます。
〇 日経平均は週明け後、29880円を超えられるかが焦点
11月がジグザグに推移する場合、11月は、月末に向けて上昇して、1日の始値29330円以上で引ける展開が考えられます。
こちらの展開になる場合、気になるポイントは、11日の安値29040円が11月の最安値になるのか、10月29日に10月25日の安値を割れたように、今後、もう一段安を残しているか否かです。
その点については、今週、はっきりすると考えられます。11月30日までの残された日柄は、11営業日しかないからです。
11月中に価格が下げて、11日の安値29040円を割れるには、割れるまでの下げの動きに数日、下値堅さを確認する作業に数日の期間が必要になります。
目先、上昇を継続して、4日の高値29880円を超える展開になるか、または、今週、上値重いが下値堅い展開を経過するのであれば、29040円を割れないか、割れる場合、月末に下値を掘り下げて、11月が陰線引けする動きになるという見方が有力になります(来週以降に下げ期間が来るからです)。
29040円を割れる可能性があるとすれば、それは、週明け後、15日の寄り付き値が下放れて始まって、15日の価格が下げるパターンだけだと考えられます。
週明け後に弱気の展開になる場合、12日の夜間取引で、225先物が下げている可能性が大きかったと言えます。しかし、12日の夜間取引では、225先物21年12月限は、12日の日中の終値29600円よりも110円高い、29710円で引けています。
12日の夜間取引で225先物が上昇したことにより、現時点では、日経平均株価の11日の安値29040円は、年末まで割れることのない安値になったと推測できます。
だとすれば、ジグザグに推移する場合の展開は、今週、11月4日の高値29880円を超えて、その後、今週から来週にかけて、10月20日以降の全体が上値、下値を切り上げるジグザグのパターンを作り、11月下旬から年末へ向けて上昇の流れへ入る展開だと考えられます。
図表01は、日経平均株価日足と、現時点で想定できる2通りの展開です。
週明け後、価格が上昇して、29880円を超える展開になるという条件がつきますが、今後は、「11月11日の安値が上昇の始点となって、12月上旬頃までに32000円を目指す展開になる」、「11月下旬から12月中旬にかけて32000円を目指す展開になるか」のどちらかになる可能性が大きくなったと言えます。
