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【少額投資家のための売買戦略】2021年10月31日記

【日経平均株価は来年へ向けた上昇のスタート地点についた】

〇 日経の11月が陽線引けする場合、月初から上昇か、もちあい

図表01 日経平均株価の月ごとの上げやすさ
図表02 日経平均株価の11月の値動き

図表01は、1990年から2020年までの月ごとの陽線確率です。陽線確率は、計算期間中で、月の始値よりも終値の方が高い割合を示しています。

図表02は、日経平均株価の11月の値動きを示しています。

順番に、「年」、「11月の4本値」、「陽線引けした年の月足の部位の値幅」、「陰線引けした年の月足の部位の値幅」、「陰線引けした年の11月の最高値をつけた日」、「陰線引けした年の11月の最高値までの営業日」、「陰線引けした年の11月の最安値をつけた日」、「陽線引けした年の11月の最安値をつけた日」、「陽線引けした年の11月の最安値までの営業日」、「陽線引けした年の11月の最高値をつけた日」です。

図表01の陽線確率を見ると、11月は、陽線確率67.7%となって、年間を通じて最も上げ傾向の強い月となっています。

年度替わりの4月は、3月から取引量が増加する傾向があり、積極的に買われやすい月として知られています。

11月は、株価が新たな上昇の流れへ入るスタート地点となった2013年以降、8年連続で月足が陽線引けした結果、陽線確率が4月よりも高くなりっています。

11月の月足が陽線引けした年の最安値、最高値をつけた日を見ると、陽線引けした21年中、13回が6営業日以内に月の最安値をつけています。

13回の中で、5~6営業日となったのは、2013年、2014年、2016年です。

2013年、2014年は、11月上旬に若干だけ下げて、押し目をつける格好となっています。2016年は、大統領選挙の影響で、選挙当日に一時的に大きく下げる動きとなっています。

つまり、11月は、上昇途中の一時的な調整が月初にあらわれなければ、ほとんどのケースで、月初が上昇の始点になると推測できます。

月の最高値をつけた日は、ほとんどが下旬になっているので、上昇の流れが月末まで継続していることがわかります。

21年中、8回は、月中で11月の最安値をつけています。

これらの年は、11月がもちあいの動きとなっていて、下旬に上昇したことで、たまたま陽線引けする展開となっています。

月初からの下げが長く続く場合、月中に月初の安値を割れる場合、11月が積極的な上昇の流れを作らないと考えられます。

ちなみに、11月がもちあいの動きとなって陽線引けした8回のケースでは、その中の7回が翌12月に陰線引けしています。

〇 日経の11月が陰線引けする場合、月初から下げの流れを作る

図表02で11月の月足が陰線引けした年の最高値をつけた日を見ると、ほとんどが初日に月間の最高値をつけています。

6営業日目と少し下げ渋った09年は、10月からの勢いの強い下げの流れの途中の一時的な反発が月初にあらわれて、数日だけ下値堅く推移する動きになっただけです。

ちなみに、1985年から1989年までの5年間で、11月の月足が陰線引けした年が2回ありますが、2回とも、1営業日目で月間の最高値をつけています。

11月に陰線引けした年の最安値をつけた日を見ると、月間の最安値は、ほとんどのケースで下旬につけていて、月末まで下げの流れを継続していることがわかります。

11月が陰線引けする場合、月初から月末まで、はっきりとした下げの流れを作る傾向があると考えられます。

〇 日経平均は3000円幅の上昇のスタート地点に位置している公算も

日経平均株価は、本年2月以降のジグザグの動きの中で、28500円が節目となってきました。

価格が下げていても、28500円を維持する格好で反発を開始するか、28500円を下回る動きとなっても、すぐに値を戻す展開となっています。

10月29日は、足型で下ヒゲの長い線をつけて、28500円で強く下値を支えられています。

この下ヒゲが積極的な買いが入っているサインではなく、値位置で買われただけに過ぎないなら、週明け後の価格は、再度下値を試す動きになると考えられます。

一方で、週明け後の価格が上放れた後、今週の価格が堅調に推移するなら、29日の安値が押し目底となって、再度上昇を開始している可能性が出てきます。

11月の上昇が10月20日の高値29849円を超えて、9月14日の高値30795円を目指す動きであるなら、11月1日の安値は、11月の最安値となって、11月が月末まで、はっきりとした上昇の流れを作ると考えられます。

強気の展開になるなら、10月29日は、2020年3月以降の上昇局面であらわれてきた、17営業日前後、2500~3500円幅の上昇パターンのスタート地点になっているという見方もできます。

図表03は、日経平均株価日足と、想定できる11月の値動きのパターンです。

週明け後、上下どちらへ向かうかによって、年末までの展開が見えてきます。

ちなみに、目先の価格が下げる場合、もちあいの動きとなるか、11月が一本調子の下げ場面になると考えられます。もちあいとなっても、12月に下値を掘り下げる可能性が大きくなるので、目先の価格が下げる場合、年末までの期間で、8月20日の安値26954円を大きく下回る動きになるという見方が有力になります。

図表03 日経平均株価日足と11月の値動き

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