【日経平均は最近の勢いの強い上昇を継続して30000円以上を目指す公算】
〇 本年のNYダウは1~3月に高値をつけて大きく下げる可能性がある
NYダウは、1年間が強気に推移する(大発会の値位置よりも大納会の値位置が大きく上回っている)展開、横ばいに推移する(大発会の値位置と大納会の値位置が近い水準)展開、弱気に推移する(大発会の値位置よりも大納会の値位置が大きく下回っている)展開に分けて見ると、だいたい6月頃が節目になっていることがわかります。
強気に推移する場合、年間を通じて上昇の流れを作るパターンもありますが、年の前半に上昇して後半に横ばい、年の前半に横ばいに推移して、年の後半に上昇するというパターンも見られます。
前半と後半に流れが変化する目安になっている時期がだいたい5月、6月頃になります。
弱気に推移する場合、5月頃まで堅調に推移してから下降の流れへ入るか、1~3月頃までに戻り高値をつけて、下げの流れへ入るかのどちらかのパターンが目立ちます。
6月前後の時期から流れが変わることが多いので、以下では、6月を基準にして見てゆきます。
本年は、前年の3月に底値をつけた後、年末まで上昇の流れを継続した翌年になります。6月を始点として見ても、6月15日の安値24843ドルが押し目になった後、年末まで、24843ドルを割れることなく、上昇し続けた年の翌年です。
1990年以降、6月から年末までの期間、6月の安値を割れることなく、年末まで上昇を継続した年は、1993年、1995年、1996年、2003年、2006年、2009年、2010年、2016年、2017年、2019年の10回あります。
これら、すべての年で、翌年、1~3月頃までの期間で戻り高値をつけて、長く上値を抑えられるか、大きく下値を試す動きになっています。
1994年は、1月31日に戻り高値をつけた後、4月4日まで下降の流れを継続しています。
1996年は、2月13日の高値をきっかけにして、5月まで横ばいに推移しています。
1997年は、3月11日に戻り高値をつけた後、4月14日まで、大きく下げる(12月の安値まで下げる)展開となっています。
2004年は、2月19日に戻り高値をつけた後、10月22日まで下降の流れを作っています。
2007年は、2月20日に戻り高値をつけた後、3月14日まで、前年の11月の安値以下まで下げています。
2010年は、1月19日に戻り高値をつけた後、2月5日まで、前年の11月の安値付近まで下げています。
2011年は、2月18日に戻り高値をつけた後、3月16日まで、年初の安値付近まで下げています。
2017年は、3月1日に戻り高値をつけた後、4月19日まで下げの流れを継続しています。
2018年は、1月26日に戻り高値をつけた後、4月2日まで下げの流れを継続しています。
2020年は、2月12日に戻り高値をつけた後、3月23日まで、一気に下げ幅を拡大しています。
〇 NYダウは週明け後に上昇継続なら1月中に戻り高値をつける公算も
過去の経験則を考慮すると、本年のNYダウは、1~3月までの期間で、いったん大きく下値を試す動きになる可能性があります。
過去10回のケースでは、1月に積極的な上昇の流れになる場合、1月、または2月上旬頃までに戻り高値をつける動きになり、1月が緩やかな上げの流れになるか、ジグザグに推移する場合、2月中旬から3月頃まで、下値堅く推移するパターンが見られます。
本年は、1月4日の安値が押し目になって、上昇を開始しています。週明け後、そのまま上昇が勢いづくなら、1月、または2月上旬頃までの期間で、一気に上値の目安へ到達して、その後、いったん上値を抑えられる動きになると考えられます。
こちらの展開になるなら、週明け後は、1月8日の安値30793ドルを維持する格好で上昇する公算です。
週明け後の価格が上値重い動きとなって、1月が昨年11月以降のジグザグの動きを継続する格好になる場合、下げ難い、上げ難いジグザグを2月中旬頃、または3月頃まで継続して、じわじわと上値の目安まで上昇する展開になると考えられます。
週明け後の価格が下げて、30793ドルを割れる動きになるなら、現在はジグザグの流れの途中である可能性が大きくなります。
上値の目安になる水準は、32255ドルを大きく上回る地点が挙げられます。
〇 日経平均株価は1~3月の期間で30000円以上を目指す

図表01は、日経平均株価月足です。
日経平均株価の2020年3月以降の上昇の上値目標値は、2018年10月の高値24448円から2020年3月の安値16358円までの値幅を24448円に加えた地点32538円を大きく上回る地点になります。
以前に紹介した通り、NYダウ、日経平均株価は、パソコンでの高速取引が主流になってゆく過程で、値動きの速度が上がっています。
これまでは、ジグザグに緩やかに上昇して、上げ幅を拡大していた上げ局面が、数日で目的地まで上昇して、その後、横ばいに推移する展開になっています。
前述したNYダウの本年の想定できる展開を考慮すると、日経平均株価は、1~3月までの期間で上げ幅を拡大して、強く上値を抑えられると考えられます。
1~4月は、上げやすい時期です。
政府は、事業規模73兆円の経済対策を12月に決定したばかりです。
価格は、上げやすい時期に行けるところまで一気に上昇する傾向があります。
上値目標値32538円までは、前週末の終値28139円からまだ4000円幅以上の上げ余地がありますが、本年中に目標値へ到達すると見るなら、4月、6月頃までは、上げ傾向がって、上げ材料がある状況なので、4月、6月頃までの期間で、一気に4000円幅以上の上昇を経過すると考えられます。
その場合、1~3月に強く上値を抑えられる前に、目標値へ接近する程度の上昇があらわれると考えられます。
本年の日経平均株価が値幅の伴った上昇の流れを作るなら、まずは、最近の勢いの強い上昇の流れを継続する格好で、1月、または2月頃までの動きの中で、一気に目標値へ接近する動きとしてあらわれると考えられます。
言い換えると、2月頃までの期間でそのような上昇場面にならなければ、本年は、上値重い展開となる可能性を考えておく必要が出てきます。
本年前半に目標値へ到達する場合のシナリオは、図表02の実線になります。

参考図
1994年のNYダウ日足 1996年のNYダウ日足 1997年のNYダウ日足 2004年のNYダウ日足 2007年のNYダウ日足 2010年のNYダウ日足 2011年のNYダウ日足 2017年のNYダウ日足 2018年のNYダウ日足 2020年のNYダウ日足