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【少額の投資家の売買戦略】2021年1月31日記

【NYダウ、日経とも週明け後に上げるか否かで今年の強弱が見えてくる】

〇 NYダウは年足陽線なら29856ドルが今年の最安値になる公算

昨年11月23日の記事では、「11月、12月に積極的な上昇の流れを作る場合、翌年の1月、2月に戻り高値をつけて、いったん大きく下げる動きを経過している」というNYダウの過去の値動きの経験則を紹介しました。

1月11日の記事では、「NYダウが6月から年末までの期間、6月の安値を割れることなく、年末まで上昇を継続した年は、翌年、1~3月頃までの期間で戻り高値をつけて、長く上値を抑えられるか、大きく下値を試す動きになっている」という経験則を紹介しました。

1月17日の記事では、「年足が陽線引けする場合、1月に年間の最安値をつけることが多く、1月に年間の最安値をつけていない場合、年足が陰線引けしているか、年間が一定のレンジ内で横ばいに推移している、または、年間が上がって下がる、下がって上がる動きとなって、往って来いの展開となっている」という経験則を紹介しました。

これらの経験則を考慮して、1月17日の予想では、「本年の年足が陽線引けする展開になる場合、1月4日の安値29881ドルが年間の最安値となって、上げ幅の大きな動きを経過した後、2月、3月に値幅の伴った下げ場面を経過する」と推測しました。

しかし、1月21日に戻り高値31272ドルをつけた後、価格が一気に下げの流れを作り、1月の上げ分のすべてを押し戻す展開となって、29881ドルを割れています。

想定していた展開と異なる値動きとなっていますが、現時点では、まだ年足が陽線引けする展開になる場合、1月の安値が年間の最安値となる可能性を残しています。

1月17日の記事で、1月に最安値をつけている過去11回のケースでは、1月の展開が「月初から下げて、一段安後、中旬頃に押し目をつける」、「月初から月末まで上昇を継続する」、または「月初から中旬まで上げて、下旬に月初の安値を若干下回る程度まで下げて、押し目をつける」となっていると書きました。

1月29日の安値29856ドルは、1月上旬の安値を若干割れる程度の値位置です。

週明け後の価格が29856ドルを維持して、反発するなら、まだ1月の安値が年間の最安値となって、2021年が年足で陽線引けする展開になる可能性を残します。

なお、1月に値幅の伴った下げを経過した分、上昇の流れを作る場合の今後の展開がわかりやすくなりました。

まず、1~3月に極端な下げ場面を想定する必要がなくなりました。

今後の上昇過程では、値幅の伴った調整が現れる場合でも、1月21日~1月29日までの下げ幅(1416ドル幅)と同程度の値幅の調整場面になると考えられます。

また、この調整は、32688ドルを大きく超える地点へ到達するまであらわれないという見方ができます。

強気の展開になる場合、NYダウは、週明け後の価格が29856ドルを割れることなく上昇を開始して、3月頃に1416ドル幅程度の下げを経過し、4月、5月頃までに34000ドル、または35000ドルへ到達する展開になっていると考えられます。

週明け後の価格が続落するなら、2月上旬は、昨年11月12日の安値28902ドル以下まで一気に下げる動きを経過する可能性が大きくなります。

その後の価格が上昇する場合でも、1月の高値31272ドルが強い抵抗になる可能性が出てきます。

〇 日経平均株価は年足陽線なら27002円が年間の最安値になる公算

前回、日経平均株価は、「1月にはっきりと上昇した年は、年足で陽線引けする傾向がある」と書きました。

週明け後のNYダウが上昇して、週明け後の日経平均株価が1月6日の安値27002円を維持する展開になる場合、27002円が本年の最安値になる可能性を残します。

今回は、前回の見方のおさらいとして、年足が陽線引けする展開になる場合、いつ頃、年間の最安値をつけているかを調べてみました。

1985年から2020年までの期間で、年足が陽線引けした年は、22回あります。

その中で、1月が年間の最安値だった年は、10回です。

1月以外が年間の最安値だった年は、1993年、1995年、2003年、2004年、2005年、2006年、2009年、2012年、2014年、2016年、2017年、2020年です。

1993年は、前半に上昇して、9月3日から11月29日までの期間で前半の上げ分を一気に押し戻して、往って来いの展開となっています。

1995年、2003年、2009年、2014年、2016年、2020年は、1月以降に積極的な下げの流れを経過した後、3月から8月頃までの期間で押し目をつけて、年末へ向けて上昇する展開となっています。

2004年、2005年、2006年、2012年、2017年は、3月、4月頃まで上値を試す動きを経過して、戻り高値をつけた後、いったん上げ分の大部分を押し戻される下げ場面を経過して、年の前半が上値重く推移しています。

1月以外に年間の最安値をつけている年は、年の前半に上値重く推移するか、上昇しても4月頃までに上値を抑えられる動きになっています。

結果として年の後半に上昇した理由は、(日米の)政策の支援や転換、円安が後押しして、上昇を開始する動きとなったからだと考えられます。

本年は、昨年、世界的な低成長を経過して、年明けから経済の立て直しが課題となっていて、すでに追加の大規模な経済対策も決まっています。足りなければ、新年度の予算が決定した春以降、さらに追加の対策を実行する(政治家の心の)準備もできています(選挙があるためです)。

2021年は、早い時期にやれるだけの対処がなされると考えられるので、年の前半に上値重い展開になったにもかかわらず、年の後半に上昇を開始する動きを想定しにくいと言えます。

2021年は、1月6日の安値27002円が年間の最安値となって、年足が陽線引けする展開になるか、27002円を割れて、年足が陰線引けする展開になるかのどちらかが考えられます。

図表01の日経平均株価日足には、今年の強弱のシナリオを引いています。

週明け後の価格が下げるか否かによって、強弱のどちらになるかが見えてきます。

図表01 日経平均株価日足、今年のシナリオ

参考図 年足陽線の年の日経平均株価日足

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