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【少額の投資家のための売買戦略】2021年1月24日記

【日経平均は週明け後の価格が下げなければ年足陽線の公算】

〇 日経平均が1月にはっきりと上昇した年は年足で陽線引けする傾向がある

前回は、NYダウが1年を通じて上昇の流れを作る場合、1月に年間の最安値をつけていることが多いという経験則を紹介しました。

今回は、日経平均株価が1月にはっきりとした上昇の流れを作った年の展開について紹介します。

日経平均株価は、前年末から当年4月頃までの期間で上げやすい傾向があります。

本年のように、1月に大きく上昇している年は、通常の展開のように考えがちですが、そうでもありません。

右肩上がりだったバブル以前、1950年から1989年までの期間では、1月の月足が陽線引けする確率は、82.5%となっていて、ほとんどの年で月足が陽線引けしています。

一方で、バブル崩壊後の1990年以降では、1月が上旬からはっきりとした上昇の流れを作って引けた年が、あまり見られなくなっています。

月足が陽線引けした確率を調べると、1990年から2020年の期間では、1月の月足が陽線引けする確率が41.9%と、陰線引けが目立つ動きになっています。

また、1月に陽線引けした年の中でも、1月がはっきりと上昇の流れを作っている年は、1990年から2020年までの31年中、6回しかありません。

1985年から2020年までの期間では、1985年、1987年、1988年、1989年、1994年、1998年、1999年、2012年、2013年、2019年の10回となります。

これらの年の特徴には、「年間が陽線引けする展開になっている」「年の前半に年間の上げ分の大部分を取りに行っている」「1月の安値が年間の最安値になっていることが多い」などが挙げられます。

〇 1月に上昇した年の詳細な展開

図表01 1985年の日経平均株価日足
図表02 1987年の日経平均株価日足
図表03 1988年の日経平均株価日足
図表04 1989年の日経平均株価日足
図表05 1994年の日経平均株価日足
図表06 1998年の日経平均株価日足
図表07 1999年の日経平均株価日足
図表08 2012年の日経平均株価日足
図表09 2013年の日経平均株価日足
図表10 2019年の日経平均株価日足

図表01~10は、過去10回の1年間の日経平均株価日足です。

図を見ると、10回の中で、年間が弱気に推移した年は、1998年の1回だけです。

1月の安値が年間の最安値にならなかった年は、弱気に推移した1998年と、2012年の2回だけです。

2012年は、1月16日の安値8352円を6月1日(安値8238円)に若干だけ下回って、押し目をつける格好になっています。

1998年は、3月9日の高値が年間の最高値となって、下降を開始しています。

2012年は、3月27日の高値をきっかけにして、6月まで下げの流れを作っています。

2012年は、安倍総理誕生というイレギュラーがなければ、1998年と似た展開になっていた可能性があります。

1998年、2012年は、それぞれ、1996年、2010年から下降の流れが2年間続いていて、前年末まで下げの流れを作っていました。1月の上昇は、年末までの下げの反動高としてあらわれています。どちらも、本年とは異なるパターンです。

他の7回のケースでは、だいたい4月、または6月頃まで上昇を継続した後、10月頃まで上値重く推移して、再上昇を開始して(または下げて)、結果として、年足が陽線引けする動きになっています。

値幅の大きな調整は、5月以降にあらわれていますが、その前の上昇途中で、2月、3月に大きめの調整があらわれています。

〇 25日以降に価格が下げなければ、本年の日経は年足陽線の公算か

本年は、25日から29日までの期間で横ばいに推移するか、上昇する場合、1月がはっきりとした上昇の流れになります。

その場合、本年が陽線引けする動きになる可能性が出てきます。

強気の展開になる場合、25日以降が横ばいに推移するなら、2月から3月にかけて、はっきりとした上昇の流れへ入ると考えられます。

25日以降が上昇する場合、2月の早い段階で、いったん上値を抑えられる動きがあらわれる公算です。

週明け後の価格が下げる場合、1月末頃までに1月6日の安値27002円へ接近する程度まで下げる展開を考えておく必要が出てきます。

図表11は、日経平均株価日足と目先の予想線になります。

図表11 日経平均株価日足と目先の予想線

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