【NYダウは年間強気なら29881ドルが2021年の最安値になる】
〇 NYダウは、年間強気なら1月に年間の最安値をつける
今年の株価が上昇すると推測した後、最初に想定しておくべきポイントは、どれだけ上げるかではありません。
いつ、どの値位置で年間の最安値をつけるかです。
1990年から2020年までの31年間で、大発会よりも大納会の値位置が高かった年(年足が陽線引けした年)は、24回あります(大納会の値位置が低かった年が7回しかありません)。
それぞれの年の年間の最安値をつけた日付は、以下の通りになります。
・1991年01月14日、1992年10月05日、1993年01月08日
・1994年04月04日、1995年01月30日、1996年01月10日
・1997年01月02日、1998年09月01日、1999年01月25日
・2003年03月12日、2004年10月25日、2005年04月20日
・2006年01月20日、2007年03月14日、2009年03月06日
・2010年07月02日、2011年10月04日、2012年06月04日
・2013年01月02日、2014年02月05日、2016年01月20日
・2017年01月19日、2019年01月03日、2020年03月23日
過去の値動きを見ると、年間が陽線引けした年は、24年間中で11回が1月中に年間の最安値をつけていることがわかります。
2003年、2009年、2020年は、1月の安値が年間の最安値とならず、3月に底値をつけています。
これらの年の状況は、皆さんがご存じの通りです。
その他、1月以外の月に年間の最安値をつけた年は、1994年、1998年、2004年、2005年、2007年、2010年、2011年、2012年、2014年が挙げられます。
1994年は、たまたま年間が陽線引けしただけで、横ばいに推移した年です。
1月の高値が年間の最高値となっています。
1998年は、1月の安値から7月中旬まで上昇を継続してきましたが、8月のロシア通貨危機により、世界同時株安となって、1月から7月までの上昇分のすべてを押し戻されています。
ただ、9月1日の安値7400ドルは、1月の安値7443ドルを若干だけ下回った地点となっています。
2004年は、2月19日に戻り高値をつけた後、その後、10月末まで下げの流れを継続しています。
年末へ向けて、上げ幅が大きくなったことで、年間が小幅な陽線になったに過ぎません。
2005年は、前半下げ、後半上げの往って来いの展開で、ほぼ横ばいに推移しています。
2007年は、前半上げ、後半下げの往って来いの展開で、ほぼ横ばいに推移しています。
2010年は、10月まで横ばい、10月以降、年末へ向けて、一本調子の上昇の流れへ入っています。
2011年は、前半下げ、後半上げの往って来いの展開で、ほぼ横ばいに推移しています。
2012年は、年間を通じて13000ドルを前後して横ばいに推移しています。
2014年は、10月末まで16500ドルを前後して横ばいに推移して、10月末から一段高となっています。
1月に年間の最安値をつけていない場合、「年足が陰線引けしている」「一定のレンジ内で横ばい」「上がって下がる、下がって上がる動きとなって、往って来いの展開となる」「10月まで上値重く推移して、10月末以降に上昇する」という動き方になっています。
〇 NYダウは年間強気なら29881ドルが年間の最安値になる公算
1月に最安値をつけている過去11回のケースでは、1月の展開が以下のようになっています。
・1991年、月初から下げ
・1993年、月初から下げ
・1995年、上げた後、上げた分を下げ
・1996年、月初から下げ
・1997年、月初から上げ
・1999年、上げた後、上げた分を下げ
・2006年、上げた後、上げた分を下げ
・2013年、月初から上げ
・2016年、月初から下げ
・2017年、上げた後、上げた分を下げ
・2019年、月初から上げ
「月初から下げて、一段安後、中旬頃に押し目をつける」、「月初から月末まで上昇を継続する」、または「月初から中旬まで上げて、下旬に月初の安値を若干下回る程度まで下げて、押し目をつける」となっています。
2021年のNYダウは、前年からのもちあいの動きを抜け出して、1月4日の安値29881ドルが押し目になって、一段高となっています。
1月4日以降が新たな上昇の流れへ入っているなら(1月が月末まで上昇を継続するパターンになるなら)、1月15日の安値30612ドルが押し目になって、週明け後の価格がすぐに上昇を開始する公算です。
週明け後の価格が下げて、30612ドルを割れるなら、その下げは、1月4日の安値29881ドルで止まらずに、11月12日の安値28902ドル付近まで下げるという見方が有力になります。
昨年11月以降の値動きを考慮すると、2021年のNYダウは、1月の安値が年間の最安値になる場合、29881ドルが年間の最安値となると考えられます。
以上のことを考慮すると、2021年の展開は、週明け後の価格が上昇するか否かによって、おおまかに見えてきます。
なお、以前に、2021年のNYダウが上昇する場合でも、1~3月の期間で値幅の伴った調整場面があらわれると書きました。
これまでの値動きのパターンを考慮すると、1~3月以降に大幅な下げ場面があらわれても、1月の安値を下回らない程度まで、今後のNYダウが上昇するはずです。

〇 日経平均株価は15日、または18日の安値が押し目になるかが焦点
NYダウが強気の展開になる場合、日経平均株価は、15日、または18日の安値が押し目になって、再上昇を開始する公算です。
18日も下げる場合、18日は、12月29日~1月6日と同程度の下げ幅(600円幅)となる地点28379円以下までいったん下げた後、下値を支えられる動きになると考えられます。
19日以降も下げの流れを継続するなら、1月14日の高値が強い抵抗になって、目先の価格が一気に1月6日の安値27002円付近まで下げる可能性を考えておく必要が出てきます。

参考資料 年足が陽線引けした年の値動き